新潟県
日本でNo.1の酒蔵数を誇る
酒どころ新潟県
※出典:にいがたの酒(新潟産業労働観光部産業振興課)
※画像:にいがた観光ナビ/佐渡観光PHOTO
自然に恵まれた土地 新潟県
荒々しい日本海に面し、連なる名峰に挟まれた広大な越後平野。南北に長い新潟県は、下越・中越・上越・佐渡と4つの地域に分かれており、それぞれの土地ならではの魅力が満載です。
県庁所在地の新潟市がある下越地方は、内陸に広がる越後平野の恩恵を受けて豊富な水と肥沃な土壌に恵まれた広大な農地では、お米だけでなく様々な農作物を栽培しています。
長岡市を中心とした中越地方は、越後山脈・三国山脈などに挟まれ、日本一の大河 信濃川と魚沼川を有しています。「魚沼産コシヒカリ」として地名を冠するブランド米が有名な日本屈指の米どころ。お米がおいしい地域では酒造りも盛んで、県内最多の36の酒蔵があります。また、食用米とともに酒造りに適した酒米栽培も盛んで、代表的な酒米「五百万石」「越淡麗」は新潟生まれです。
上越地方は上杉謙信や親鸞ゆかりの地。沿岸部では特産の海産物のカニやえびが有名で、朝市が様々な場所で開催され賑わっています。山間部は全国有数の豪雪地帯として知られいます。この豪雪は酒造りにとっては恵まれた条件となります。雪による低温は空気を浄化し、雑菌の繁殖を防ぎ、麹菌や酵母菌などの微生物の働きを活性化します。また、この雪解け水は軟水で、酒造りに必要不可欠な仕込み水として使用されています。新潟らしいなめらかで淡麗な清酒誕生の秘訣は、雪による低温長期醗酵と雪解け水なのです。
佐渡地方は、朱鷺の名所として全国的に知られている新潟県西部に浮かぶ離島 佐渡島です。朱鷺が生息するほど自然豊かな島であり、世界農業遺産に日本で初めて認定されているように様々なおいしい食材が堪能できる地域です。
酒質の多様性も新潟ならでは
現在、県内には90もの酒蔵が点在しています。その多くは100年以上の歴史を持ち、手作業という手間ひまを惜しまず、また伝統の中にも技術革新を行うマイクロブルワリーです。米どころならではの、米を贅沢に磨き込み、匠の技を活かしながら、手の行き届いた小口の仕込みにこだわる酒蔵が多いのも特長です。
「下越地方:すっきり辛口タイプ」ー北前船の寄港地として栄えた港町新潟市は、旅人に酒を振る舞う茶屋から始まった酒蔵もあります。京都の祇園と並ぶ花街の伝統をもつ古町花街が残り、料理とともに地酒を楽しむ文化が今なお受け継がれています。すっきりとした辛口で料理を引き立てるタイプが多いです。
「中越地方:軽~旨口タイプ・多彩な味わいが魅力」ー沿岸部、山間部、平野と様々な気候のエリアがあるため、その味わいも多彩。沿岸部では魚介に合うように軽やかな味わいが好まれます。酒蔵や味噌蔵など発酵文化として長く歴史がある長岡市や豪雪地帯である山間部では、冬の保存食として味噌など味の濃いものが多く、それに合う旨みのある味わいが好まれています。
「上越地方:後味きれいな甘口タイプ」ー農林漁業に従事する人々の身体を癒やしてきた地酒は、お米本来の持つ甘さをストレートに表現した味わいと、キレ味の良さが特長です。
「佐渡地方:旨みのある辛口タイプ」ー全国唯一の朱鷺の生息地として知られており、米の低農薬や自然栽培など環境に配慮した酒造りに努めている酒蔵があります。魚介が特産であることから、米の旨みを活かした辛口が特長。佐渡内5つの蔵それぞれにストーリーがあり、「佐渡の地酒」は全国で注目を浴びています。
気候と食文化とともに育ってきた地酒の味わいは、各酒蔵ごとに伝統を受け継ぎ、現代の食文化や技術に合わせて進化しています。
日本酒だけではない!
新潟ワインの魅力
日本で葡萄の産地として、またワインの産地としてよく知られているのは山梨県、長野県、北海道などが代表的で有名です。
一方、日本酒のイメージが強い新潟県ですが、実はコンクールで金賞を受賞するほど、質の高いワインが造られており、今注目を集めています。
“日本ワインぶどうの父”と呼ばれている創業者 川上善兵衛の伝統を受け継ぐ「岩の原葡萄園」は、ワインの教科書にも載るほどワイン通に知られたワイナリーです。
新潟市街地の南西部日本海に面した角田山の麓には“新潟ワインコースト”と呼ばれるエリアがあります。「カーブドッチワイナリー」をはじめ、個性的な5軒のワイナリーが集まる新しいワインの産地として、今もっとも注目されています。
胎内市には国内有数の耕地面積を持ち、栽培から醸造までを市が行う市営のワイナリー「胎内高原ワイナリー」があります。
中越地方南魚沼市では、豪雪地ならではの「雪」を最大限利用した“雪室貯蔵”という珍しい方法でワインを醸造している「アグリコア越後ワイナリー」があります。新潟清酒と同じように、新潟ならではのなめらかでキレのある辛口ワインが特長です。
それぞれのワイナリーでは、土地の特長にあったワイン造りに取り組み、日本酒に引けをとらない“質”と“味”を生み出しています。これからますます飛躍していく新潟ワインから目を離せません。