愛媛県

穏やかな瀬戸内のさざなみのように、優しい時間が流れる愛媛県。
愛比売（えひめ）という女神が舞い降りたことから、その名が付いたとされるこの地は、四国遍路をはじめとした昔ながらの原風景と人情が宿ります。

こうした風土を深く理解できるのが、この地で生まれた地酒です。
四国山地からの清らかな伏流水は、まろやかで奥行きのある酒を育み、一方で冬の里山は、寒風が吹きおろし、酒造りに適した条件になります。
恵まれた条件のもと、穏やかな愛媛の人々が育んだお酒は、優しい口あたりと安らぎを感じる旨みが特長です。

「酒肴（しゅこう）」という言葉があるように、切っても切り離せない関係にある酒と肴。
瀬戸内海と宇和海、二つの恵まれた漁場に囲まれた愛媛県は、一年を通じて旬の海の幸を堪能できます。
四国と本州の間に多数の島が点在する瀬戸内海。
「瀬戸の夕凪」では海に空が映り込むほど、外洋からのうねりの影響を受けない穏やかな海ではありますが、大きな潮の干満差から、海域によっては強い潮の流れが発生します。

この潮流が激しい海域をひたすら泳ぎ続けることで鍛えられた真鯛は、引き締まった身を付け、極上の味わいとなります。
愛媛県と九州に囲まれ、外海に面した宇和海。
複雑で変化に富んだリアス式海岸はその美しさもさることながら、太平洋の黒潮が流れ込む天然の好漁場として知られています。
イワシやアジなどの回遊魚が一年を通じて水揚げされ、ハマチや真鯛など日本有数の養殖場でもあります。
こうした二つの漁場で育まれた海の幸は、愛媛の食文化の中心であり、なめらかな飲み口の愛媛のお酒によく合います。

青く美しい海・豊穣な大地・温暖な気候。
海に迫り出した独特な急傾斜地では一年を通して様々な柑橘が実り、ミネラルを豊富に含んだ土壌からは季節ごとに種々の野菜が収穫されます。
また、畜産物は生産者の卓越した技術により、地域ごとに特色ある肉質を生み、豊富な海産物は「じゃこ天」をはじめとした練り製品の原料として姿を変えます。
こうした豊かな実りから生まれる山の幸・海の幸は、生産者の想いとともに、多種多様な特産品へ形を変え、私たちの食卓に並びます。
型にはまらない自由な発想が、様々なジャンルの商品を生む。まさに全国屈指の「食材王国」です。
蔵人たちは長い時をかけて、こうした地元でとれた旬の味覚に合うお酒を育んできました。

是非、愛媛県のお酒と食材をお楽しみください。